2024年4月29日〜2024年5月3日
更新 : 2024/4/26 18:00
(通常毎週金曜日夜更新)
強弱混在もマインド改善へ
今週の株式見通し
主要指標の推移 | 日経平均株価 | 37934.76(前週末比 +866.41) | TOPIX | 2686.48(前週末比 +60.16) |
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強気と弱気が混在する株式市場では今週、FRBの利下げが一段と遠のいた一方で、日銀は緩和的なスタンスを継続。セクターでは半導体株が下げ止まり、米国では巨大IT企業の好決算も示されるなど、マインドは改善しつつある。
米国では25日に、グーグルの持株会社アルファベットとマイクロソフトがそろって良好な1〜3月決算を発表した。また、ASMLホールディング(オランダ)や台湾TSMCの決算が悪材料視された半導体業界も、その後は米テキサス・インスツルメンツが市場予想以上の4〜6月売上見通しを打ち出すなど、業況の強さが改めて示された。
国内では3月期企業の本決算の発表が本格化し始めた。ニデック(6594)や日本航空電子工業(6807)など、世界経済に敏感な電子部品の株価反応がおおむね良好な点は安心感をもたらす。一方、事業環境が比較的堅調だった自動車部品の一角は、決算後に売りに見舞われている。このことから、投資家の目線は苦戦の続いた民生電子機器や中国市場の回復期待に向かいつつあることが分かる。
来週はゴールデンウイーク(GW)の大型連休の関係で日本は3営業日(4月30日〜5月2日)の変則日程。GW中の5月3〜4日には、著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイの年次株主ミーティングが行われる。同社は直近、日本で2,600億円規模の起債を行ったといい、投資の神様≠ェ改めて日本株への強気姿勢を示すかもしれない。
このほか、中国で30日に4月製造業PMI(非製造業PMIも)が発表される。3月は6カ月ぶりに景況判断の50を上回っただけに、回復の継続性が焦点となる。米国では30日、5月1日にFOMC(米連邦公開市場委員会)、1日に4月ISM製造業景況指数が控える。決算は30日のアマゾン・ドット・コムや1日のクアルコム、2日のアップルなどに注目したい。日経平均の予想レンジは3万7,000〜3万9,000円とする。
注目材料・為替
FOMC、雇用統計と重要経済イベント集中
予想レンジ:1ドル=155円00銭−158円00銭
4月22−25日のドル・円は上昇した。週初22日はFRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ後ずれ観測を背景に上昇するも、日本の通貨当局による為替介入が警戒され、心理的フシ目の1ドル=155円近辺で上値を抑えられた。23日、鈴木俊一財務相が為替介入の環境が整った旨の発言をしたほか、同日発表の米4月PMI(購買担当者景気指数)が製造業、サービス業とも市場予想を下回り、相場の重しに。24日にドル・円は155円を突破したものの警戒された日本の円買い介入はなく、上昇が加速。25日、米1−3月期GDP(国内総生産)速報値の成長率が大きく減速した一方、米1−3月期コアPCE(個人消費支出)デフレーターが市場予想以上の伸びを示し、一段高となった。ただ、一部で日銀が国債購入の規模縮小を検討と報じられると、伸び悩んだ。
26日の東京時間中、日銀が金融政策決定会合で利上げを見送り、国債買入れ方針を継続する金融政策の現状維持を決定。ドル・円は上伸し、およそ34年ぶりに156円台へ乗せた。ただ、ドル・円のゆくえはFRBの金融政策次第なのが実情だ。目先は5月1日まで開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)が最大の焦点。米国のしぶといインフレ観測を背景にFRB高官からはサイレント期間前にタカ派的な発言が相次いでおり、パウエルFRB議長の会見を含めてFOMCで米利下げへの慎重姿勢が強調されれば、ドル高圧力がさらに強まる可能性がある。FOMC通過後も週末3日に発表を控える米4月雇用統計をにらんだ展開。その他にも、米4月コンファレンスボード消費者信頼感指数、米4月ISM(供給管理協会)製造業景況指数、同非製造業景況指数と、週を通して重要経済指標の発表が目白押し。日本の大型連休期間中に取引参加者の減少も想定され、相場の変動性が高まるリスクには警戒したい。
ドル・円はチャート上で、引き続き日本の為替介入が意識されるものの、ドルは強含みで推移し157円前後から上値を試す展開を予想。一方、仮に為替介入が実施されてもトレンドを転換するほどの効果はないと見て、下方向ではフシ目の155円を見込む。
週間タイムテーブル
国内 | 海外 | |
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4月29日(月) | 昭和の日 | ◆決算発表=(アジア)BYD、青島ビール、(欧州)エヌエックスピー・セミコンダクターズ、(米国)F5、オン・セミコンダクター、トランスオーシャン |
4月30日(火) |
3月失業率・有効求人倍率=8時30分 3月鉱工業生産=8時50分 3月商業動態統計=8時50分 ◆決算発表=大塚HD(4578)、JPX(8697)、JR東日本(9020)、JR東海(9022)、商船三井(9104)、SGHD(9143)、関西電(9503)、東電力HD(9501) |
中国4月コンポジットPMI、製造業PMI、非製造業PMI=10時30分 4月Caixin製造業PMI=10時45分 ユーロ圏1〜3月期GDP=18時 ドイツ1〜3月期GDP=17時 FOMC(〜5月1日) 米2月FHFA住宅価格指数=22時 米2月S&PコアロジックCS住宅価格指数=22時 米4月CB消費者信頼感指数=23時 ◆決算発表=(アジア)サムスン電子、(欧州)メルセデス・ベンツ グループ、ヴォノヴィア、(米国)アマゾン・ドット・コム、コーニング、コカ・コーラ、イーライリリー、マクドナルド、3M、ペイパル・ホールディングス、AMD |
5月1日(水) | ◆決算発表=三井物(8031) |
パウエルFRB議長会見 米4月ADP雇用統計=21時15分 米3月JOLTS求人件数=23時 米4月ISM製造業景況指数=23時 メーデー、レーバーデーにより欧州、アジア主要市場が休場 ◆決算発表=(米国)ADP、アルベマール、アメリカン・ウォーター・ワークス、コルテバ、イーベイ、エスティローダー、マスターカード、マリオット・インターナショナル、ファイザー、クアルコム |
5月2日(木) |
3月18、19日開催の日銀金融政策決定会合議事要旨 4月マネタリーベース=8時50分 4月消費動向調査=14時 ◆決算発表=大東建(1878)、丸紅(8002)、住友商(8053)、三菱商(8058)、JAL(9201) |
米3月貿易収支=21時30分 米3月製造業受注=23時 中国市場休場(1〜3日) ◆決算発表=(豪州)ナショナルオーストラリア銀行、(欧州)シェル、(米国)アップル、アムジェン、コグネックス、フォーティネット、イルミナ、IQVIAホールディングス、ケラノバ、クアンタ・サービシーズ、ブロック、ザイレム、ゾエティス、ブッキング・ホールディングス |
5月3日(金) | 憲法記念日 |
ユーロ圏3月失業率=18時 米4月雇用統計=21時30分 米4月ISM非製造業景況指数=23時 バークシャー・ハサウェイの株主総会イベント(〜4日) |
- ※ 海外の時刻は日本時間。